とりおたです。
一度、断捨離にはまって、すべてのカメラを処分したことがありました。そのときに、写真をやめるなら山に登ることもないと、どこも痛いところのない奇跡の靴と思っていた革の登山靴もリサイクル屋さんに出しました。
それからずいぶん長い時間を経て、カメラも再開し、流れとして山にも再び行こうという気持ちになったときに、あの靴が残っていないことをたいへん後悔しました。
なにしろ、北岳の急な下りを楽々と降りられました。あれには驚きました。
いまは、こんな風に靴では苦労しています。
登りよりもしんどい下り
このときにずーっと、前の靴があればなぁと思っていました。しかし、当時、靴にさほど関心もなく、店員さんが言うままに買ったので、なんという靴なのかもわからず、探すこともできないありさま。
ただ、イタリア製だとは聞いていました。それだけは覚えていた。
購入当時のことを思い出すと
近所の本格的な登山用具屋さんに行って、いろいろ教えてもらい、これからたくさんお世話になるかな?と思いきや、来週もう閉店なのだと。
そういうことで閉店セールで、仕入れ値より安く出しています。ということでお安く買えたわけですが、とにかく、よかった。
それまでは、見た目だけトレッキングシューズ的な靴を履いて北岳に登っていました。いつも帰ってくると足がひどいことに。
痛むから下りは一歩一歩休みながら、という下り方をしていました。
それが、ホイホイ走りながら下りられる。
思い出補正も若干あるのかもですが、とにかくよかった。
再び登山を始めるにあたり、革の登山靴が欲しいなと、ヤフオクで古いのを適当に買ってみました。
普段27.0くらいを履いていますので、28くらいを買っておけばいいだろう。と。すると、届いてみたら体感的には26.0くらいに感じるきつさ。
あーこれは、絶対靴擦れできるな。と思いつつ三つ峠に行ってみました。この、最初の山行では、両足かかとが、ずるむけ。つま先もマメだらけになりました。
この靴で北岳にも行ってしまったので、たいへんなことになりました。しかしその後も散歩などで少しずつ慣らしてみたところ、なんとか登りが1時間くらいの山であれば、問題なく帰ってこれるまでにはなりました。
しかしサイズのきついのはいかんともしがたく、分厚い靴下を使えないため、雪の中を歩くには厳しいと思われます。やはり、もう一足必要であろうと。
中古の靴には懲りたので、新品を買おうと、いろいろ調べたところ、東京巣鴨に、ゴローという手作り登山靴のお店があり、人気だとのこと。
これ、とても魅力的なのですが、靴底の貼り替えが2回までしかできないこと。できるだけ長く使いたいので、ちょっとそこがネックとなり、保留に。
中古に懲りたのにヤフオクをずっと見ていたところ、以前履いていた靴の記憶がよみがえりました。
あ!ベロの形、こんなんだったな。足首のデザインこうだったな。これだ!
調べてみるとザンバランというイタリアの会社の、フジヤマという靴。私が使っていたのは、二代目のヌーボフジヤマというもののようです。
マイナーなものかと思っていたら、案外に有名なものだった。かなり、流行ったのだそうです。
それだったら、粘っていればいつか見つかるかなと思っていたら、すんなり見つかり、慌てて購入。
ワクワクして履いてみたら、長年放置されていて、革がカチカチに固まっており、あの、しっとりと足全体を柔らかに包み込む履きごごちとは似ても似つかぬ、残念な履きごこちでした。
しかも、あわてて買ったので、二代目のヌーボが欲しかったのですが、靴紐の金具が一段目以外は全てフックになっている、初代フジヤマを買ってしまった。
この靴、やや丈が短いようで、急な下りでは足首を守りきれないかな?とも思う感じです。
どうしたものか。再び出品して手放すことも考えましたが、こんなカチカチのものでは、気持ちよく使える人はいないでしょう。だましうちになってしまう。
それだったらダメもとで、履き慣らす方法を調べ調べ、足に馴染むまでやってみようか。ブログのネタにもなるし。
そんなことでいまいろんなサイトで革靴のことを、調べています。
デリケートクリームなるもので、固まった革を少しずつやわらかくし、少しずつ履いて慣らしていく作戦です。
すると、硬い皮が曲がったところが足の指の付け根に当たってすごく痛い。
かなしい。
これも調べてみたら、この現象は、「靴が噛む」というのだそうです。諸説ありましたが、サイズが大きいとなりやすいから、靴底を2枚にしてみろ、というアドバイスがあり、早速百均のインソールを追加。
多少、痛みが少なくなりましたが、まだ痛みます。
あとはちょっとずつ履いて、クリームを塗って、ゆっくり慣らすしかない模様。
御殿場アウトレットをこれで歩いてみました。
磨いて履いてを繰り返しているうちに、だんだん気に入ってきてしまうもの。サビサビの、靴紐フックも磨いてあげたくなります。
ピカールを、そのままつけてしまうと、革にピカールがついてはたいへん。マスキングテープをして、フックをピカールで磨きました。
ここが綺麗になると、中古の靴という雰囲気が一新し、新しい靴であるかのような風合いになってきました。
ここまでしても、一度固まってしまった革は、死んでいて、油を塗っても結局ひび割れてしまうという説もありますので、これからよくなるのかは五分五分です。しかし、うまくいけば、同じような人のお役に立てるかもしれません。中古で買った、ではなくても、昔使っていた靴を出したらカチカチだった、みたいなときに。
これでガンガン登れるようにして、月と二眼レフを美しい写真でいっぱいにしたいですね。
ちなみに、一番上の写真の靴は、ドイツのマインドルという創業300年にもなる靴だそうです。とてもとても頑丈なつくりであり、もしこれ、サイズがあってればよかったなぁ、と、これもまたクヨクヨさせるものです。ザンバランのフジヤマより、ずっと革が分厚い分、馴染むまで時間もかかりそうな感じがします。
ザンバラン フジヤマとの再会
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2 件のコメント:
山の写真って簡単に言いますけど、そこまで登るという大変な活動が隠されてるんですよね。改めて気づかされました。自然は恐ろしいので、登山靴も本格的なものが必要になりますよね。靴だけでこれだけの苦労があるということは、他にもまだまだありそうですね。とりおたさんの道具を大事に扱ってらっしゃる姿勢には頭が下がります。
ふうたさんこんにちは。コメントをとてもありがたく思っています。
北岳に登るたびごとに足がマメだらけになって、一歩一歩痛みに耐えながら下りていたのを、一気に解決したのがザンバランのヌーボフジヤマでした。
今回入手した初代フジヤマも、デリケートクリームにより徐々に柔らかさを回復しつつあります。丈も確かに短いものの、着地したときの感じは、以前持っていたヌーボを彷彿とさせる、いい感じです。
ゆっくりなじませてまた活躍させてあげたいですね。
たかが靴ずれと簡単に考えてしまうものなのですが、足が痛すぎて動けなくなり、遭難、ということもあり得るのだなと北岳で痛みに耐えながらしみじみ思いました。なので、十分慣らして、大丈夫となってから大きな山で使うようにした方が安全ですね。
今は革靴より性能のよい他の素材の靴が多くなって、手間のかかる革靴は流行らなくなってきているようなのですが、めんどくさいフィルムカメラのめんどくささが大好きな私には、革靴の手間のかかるところもまた魅力になっています。長持ちするところも、いいですよね。
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