ライカと三つ峠


こんにちは、とりおたです。
以前、写真をやめる一年前くらいに、ボロボロのライカを買いました。バルナックタイプというものです。それにキズだらけ曇りだらけのガタガタのズマールというレンズをつけて撮っていました。ちょうど中古カメラが空前のブームになっていた時と重なり、たくさんのムック本が出てライカのよさをあおっていました。ですので、あまのじゃくなとりおたは、そんなにみんながいいというなら、私は使わない、と考え、やせ我慢ではなく本当に興味がなく、あまり注目していませんでした。それでも、写真に行き詰まってきたときに、これ使ってみたら何か打開できるかな?と思って試してみたわけです。すると、井戸の穴を覗き込むようなファインダーの見にくさ、フィルムの入れにくさの洗礼を受けます。一眼レフや二眼レフとちがい、ピントは真ん中でしか合わせられません。1メートルより被写体に近づくこともできません。とりおたは、なにしろ寄りたい派なので、わざわざヌーキーという、近接用の部品までつけて使っていました。こんなに使いにくいし、撮影しているときに、ちゃんと撮れているという手応えもまったくありません。ところが、現像上がってきたものは素晴らしくよく写っているのです。ずっと取っておきたい写真ができてきます。使いにくいながらも自分とは合っていたのかもしれません。


それでもカメラをやめて、すべての機材を売り払い、カメラなしの生活をずっとしていましたら、あれだけ写真をやったのに、友達の結婚式なんかがあったときに、なにも写真で貢献できないのもなんだかなと思い、もう世の中はデジタル全盛だったわけですが、ライカだけは持っておこうと適当に手に入れたのがこれです。




実際には結婚式が一回しかなく、しかもフィルムの入れ方を失敗して一枚も写っていなかったという、完全な無駄になってしまいました。


そのままずっとほこりをかぶっていたこのカメラを、昨年の11月に三つ峠に連れて行きました。例によって暗い中、月明かりを頼りにした登山です。ああこの恐怖は15年ぶりくらいかなあと思いながら、おそるおそる登って、富士山を撮りました。




ところがこれを撮ったあたりで氷点下15℃まで下がり、ライカは完全に止まってしまいました。御来光は、撮れませんでした。


夜を徹した撮影を行うには体力が落ちすぎてしまいました。しかし、こういう写真が自分のひとつの作風ではあると思うので、なんとか気力で頑張り、夜の良い写真を撮りたいです。



三つ峠の春 その2


とりおたです。続きです。



三つ峠山荘前の展望です。ここで何人の人がシャッターを切ったのでしょうか。



三つ峠山の頂上からです。



下りはずんずん下って



帰りの道路にはまだ桜が咲いていました。
体を鍛えて、大きな山に登れるようにしなければ。