とりおたです。
ローライフレックスもローライコードも、時代時代でいろいろなものがあり、それぞれにたいへん魅力的です。新しい世代のものほど使い勝手もよくなっていますから、初めて二眼レフを使ってみよう!という場合、新しい世代のローライのほうが楽ではあります。しかし、新しいものほど高価になってしまいますから、試しに使ってみたいという場合、値段も手頃な旧型ローライはどうでしょうか。今回ご紹介するスタンダードは、80年程前のものなので、売られているものの状態もほんとにさまざまです。なので選び方も難しくなってしまいます。これで正しいのかはわからないのですが、私がやっている選び方を書いておきたいと思います。
選び方
田舎住まいのとりおたの場合、なかなか大都市部にあるような、大きな中古カメラやさんに行くのが難しいため、いつもヤフオクで買っています。出品されている方がカメラに詳しいとは限りませんから、価値もわからなくて捨値で出してくれることがよくあります。私の場合は、あとから修理に出すことを前提に、汚ないものを好んで選んでいます。ほこりがかぶっていたりするということは、内部が錆びているリスクはあるのですが、素人分解されていない可能性が高いと考えるからです。そうしますと、内部パーツが抜かれていたりする可能性も低いであろうと。現物を確認できない以上、リスクはありますので、参考程度に聞いてください。高くてもしっかり整備されているものを選ぶというのも1つの考えです。ヤフオクでもそういう出品者さんもいらっしゃいます。私も可能ならそうしたいのですが、なかなか余裕もないのと、下手をすると捨てられてしまうような個体をできるだけ救出したいという考えから、ボロいやつを選んで買っています。
基本事項
赤い矢印方向にレバーを動かすと、シャッターがチャージされます。青の方に動かすとシャッターが切れます。シャッタースピードは、T(タイム)、B(バルブ)、1秒、1/2秒、1/5秒、1/10秒、1/25秒、1/50秒、1/100秒、1/300秒から選べます。後期型ですとこれに1/500秒が加わります。T(タイム)とB(バルブ)については、シャッターをチャージせずに、そのままシャッターを切ります。Tは、一回シャッターを切るとシャッターが開き、もう一度シャッターを切るとシャッターが閉まるものです。Bは、シャッターを切ったまま抑えている間、シャッターが開いていて、手を離すとシャッターが閉まります。ともに夜景を撮るときなどに使います。私の個体はどうもここの具合がよくなく、Tでシャッターを切ると、開いたまま、戻ってくれない時があります。
シャッタースピードは黄色の方で、絞りは緑の方で動かします。
フィルムの入れ方
さっそくフィルムを入れてみましょう。
今回は感度100のフジクロームベルビアを使いました。シールをはがします。
ここまできたら、ちょっと巻き上げてふたをします。ふたをしたら、赤窓を開けて
数字の1が出るまで巻き上げて行きます。この時代のローライは、グルグル連続して巻くことができません。あるところで巻けなくなりますから、戻して巻いて戻して巻いてを繰り返してゆきます。
こんな風に矢印も出てきます。まだまだです。
この丸印が、巻いていくと、順に小さくなっていきます。そうするとかなり近づいていますので、巻きすぎないよう気をつけます。
めでたく番号1が出たら赤窓は蓋をして閉めておきます。
赤窓を閉めたら、最後にやることがあります。
フィルムカウンターがめちゃくちゃな位置にきてしまっていますから、ボタンを押して、1を出さないとなりません。
10という数字が見えます。そのななめ上のボタンを押します。そうするとスコンと音がして
これで撮影の準備が整いました。
露出決定
撮る際には露出を決めなければなりません。80年前のカメラですので、露出計はもちろんありません。露出計を購入するか、スマホの無料アプリで露出をはかるか。スマホアプリの方については過去記事を参考にしてください。
スマホアプリの露出計
今回は、古いペンタックスの露出計を使って見ました。
光を測ったら、14という数字だったというときに、目盛りを14に合わせますと、その明るさにおけるシャッター速度と絞りの関係がずらっとわかるようになっています。今回は感度100のフィルムを入れましたから、感度は100に合わせてあります。
そうしますと、
シャッター速度 1/500 絞り 5.6
シャッター速度 1/250 絞り 8
シャッター速度 1/125 絞り 11
シャッター速度 1/60 絞り 16
シャッター速度 1/30 絞り 22
この辺りから選ぶということになります。絞りは数値が大きいほど、たくさん絞りこまれて、光の通り道がせまくなります。今回はコスモスを午後に撮ったため、風でぶれるのをなるべく防ぎたいため、シャッター速度が速いほうがよいということで、1/500, 絞り5.6で撮っています。デジカメなどではこのあたりの計算をカメラがやってくれているということですね。
露出が決まったらカメラにセットしておきます。
2つついてるレンズの、上のほうのレンズのそのまた上に、シャッタースピードと絞りの数値が見える窓があります。
撮る
ここまでできたら、被写体にむかってピントを合わせて、シャッターをチャージし、シャッターを切れば、一枚撮れています。このカメラはシャッターチャージと、フィルムの巻き上げが別々なので、ぼーっとしていると、巻き上げを忘れて同じコマに二枚撮ってしまい、亡霊のように二重に写ります。これをあえてわざとやるという場合にはこのカメラは便利です。通常は、巻き上げを忘れないように、一枚撮ったらすぐ巻くというふうに決めておくのがよいかと思います。巻き方ですが、
黄色の方向に巻きます。巻けなくなるところまで巻いてください。ゆっくりと巻いたほうがよいです。
止まるまで巻いたら、逆方向に戻します。そうして見ると、カウンターが1つ進んでおり、いま、何枚目の撮影なのかわかるようになっています。
おおまかにはこれでよいのですが、なにぶん古いカメラです。昔のフィルムの方が裏紙が厚かったそうで、このカウンター通りに巻き上げていると、写真のコマとコマが重なることがあるようです。なので、巻き上げ終わって、ハンドルを元の位置に戻したら、ほーんのわずか巻き足してやって、撮って行くといいようです。ローライコードですと、古くてもそんなことはなく、気にせず普通に使って大丈夫でした。
撮り終わったら
12枚撮り終わったら、ひたすら巻き巻きして、上側のスプールにフィルムを完全に巻き取ってから、ふたを開けます。
こんな感じになっています。
こんなふうにシールで止めて、できるだけ早く現像に出します。
実写結果
一枚目と三枚目は、接写レンズをつけていますので、本来のローライの限界よりも近接して撮れています。ローライ純正のものは高価なので、国産の代用品を使いましたが、大丈夫のようです。フードもこの時代の純正のものはなかなか入手が難しいです。見つかっても高価なので、私はやはりフードも国産の代用品です。ヤフオクなどで、28.5センチ
かぶせフード と探すと安いものが見つかると思います。
この時期のローライコードについても以前書きました。よろしかったらご覧ください。
ローライコード 使い方
ローライフレックス スタンダード
ローライフレックス スタンダード その2