とりおたです。
ベリートレンズで撮った写真、自己満足と思っておそるおそる載せていましたが、幸いにもご好評いただいて、とてもやる気がアップしております。
どんなふうにやってこのホワホワの写真ができるのかを、よく考えたら公開していなかったと思うので、今回はやり方を書いてみたいと思います。
ベリートにはいろんな焦点距離のものがあります。さきほどebayのほうをのぞいていたら、18インチというのまであるみたいです。この8と4分の3インチは、比較的よく見かける玉だと思います。ミリに直すと210ミリくらいだったでしょうか。
作られた時期も長かったのでこのようにシャッターのないレンズもあれば、シャッターに組み込まれたもの、コーティングがあるものなど相当いろいろだそうで、描写もまた相当異なるのだそうです。
それはいいとして、この状態ではどうにもなりません。いろんな使い方が考えられるのですが、まずは大判カメラにくっつけようではないかと。自分で加工する技術はないので、とりあえず部品集めです。
まず、このレンズをボードに固定するための「座金」なるものを探しました。必死で探したら、相模原のムサシさんで奇跡的に見つかりました。しかし、座金のサイズがでかく、リンホフボードからはみ出てしまいます。そこで
トヨカメラサービス
さんで、座金を加工してリンホフボードに固定していただきました。トヨカメラサービスさん、その節はお世話になりました。
くっついたら、大判カメラを用意して、前枠にはめます。なんでもよいと思いますが、ベリートは比較的重いレンズですので、木製のカメラより金属のものがよいのではと思います。木製には木製のよさがありますが、木製の良さは、軽いレンズをつけたときに生かされるのではないかと。
いつも使っているリンホフではなく、ジナーの方につけてみました。
そして、本来であれば、後ろの部分には4×5インチの大きなフィルムを入れて、大判での撮影と行きたいところですが、このレンズは100年前のもので、シャッターがありません。これのためにシャッターを用意するとなると、さらに大掛かりにコストがかかってきてしまいます。一番お手軽なのは、バックの部分にデジタル一眼をくっつけてしまうことです。(もちろんフィルムの一眼でもよいです)
こんなような部品を使います。
バック部のサイズに合わせた木や金属の板を用意して、例えばEOSなら、ジャンクのレンズからマウント部分だけ抜いて固定できれば、十分自作もできると思います。私にはすこし難しいと思っていたので、ヤフオクでタイミングよく見つかったときに買いました。そしたら、サイズが微妙にあわなくてグラグラしています。なのでブレが出ないよう注意が必要ですし、不用意に外れてカメラを壊すリスクも抱えています。
作るのはしんどいから買いたい!という方には、こちらで作っているようなので相談してみるとよいと思います。カメラおたくには夢のような製品をたくさん出しておられます。
ディスカバーフォト
私はこちらで、ニコンレンズをEOSにくっつけるアダプターを買いました。こまやかな要望にこたえてくれます。
そして、このアダプターを使って、大判カメラにEOSをくっつけます。
本来フィルムホルダーを入れるためのバック部分です。ここのピントグラスを外して、さっきのアダプターをつけます。
そのままではカメラとアダプターがつけられませんので、接写リングの長めのものを用意し、これを間にかませることによって、カメラがつけられるようになります。
ではさっそく外へ持ち出してみます。タイミングよく、家の外にユリが咲いております。これを撮っちゃいましょう。
こんな感じです。横から見ると
100年前のレンズと、戦後すぐのカメラと、出始めのころの初期のデジカメが融合しました!
少し絞ると、普通の写りに近くなります。絞りを開けるほど、ソフト効果が強いです。絞ってみた写真はこちら。
絞りを色々変えてみて、好みの描写を見つけるのも楽しい作業です。
三脚つけるとめんどくさいので、外して手持ちにしてみました。
微妙なピントを追い込むのが難しくなる代わりに、構図の自由度はとても高くなります。いままでアップしたベリートの写真は、実は大部分が手持ちで撮ったものです。
へんなカメラを持った怪しいおじさんを見かけたら、それは結構な確率で「とりおた」かもしれません。白い目で見ないでいただけたらありがたいです。
この時撮った写真がたしかこれでした。
ベリートの作品集をいつかまとめてみたいと思っています。
ベリートの使い方
リンホフの距離計を取り外す
とりおたです。
だんだんと、大胆になってきて、ついに距離計の取り外しに挑戦しました。
大判カメラでは、主にピントグラスというところで、レンズが作った像を直接覗いて、ピント合わせや構図決めを行います。ところがこのリンホフには、ライカのような距離計がついており、ピントグラスを使わずにピントを合わせることもできるようになっています。
これは、手持ちで撮影することを考えてこういう機能をつけてあるのだと思います。
ところが、腐食の激しいこのおんぼろリンホフくんの距離計は、もちろん中がカビて曇っており、とても実用になるものではありません。まあ、中が綺麗だったとしても、私の技術ではこの距離計を用いて見事に撮影する、ということは無理そうなので、この重くてかさばって邪魔なだけの距離計は、外してしまおうと。
山岳写真の大家、白籏史郎さんも、距離計を外して使っておられるようです。ミーハーに真似をします。
ここを取ってしまう予定です。ネジがさびているので、失敗の可能性もあります。慎重にいかなければ。
蛇腹を外せたので、こうやって内側に見えるネジの頭にドライバーを入れて回すだけ、なはずなんですが。
見事に外れました。ついでにバック部分も外すことができました。アルミのネジなので、ドライバーのサイズがぴったりか、もしくは少し大きい状態で、溝にはもちろんぴったり合っていることが大切らしいです。大きなドライバーを削って大きさを合わせ、おそるおそる回したら、無事外すことができました。
ここも、ネジ4本を外す必要があります。しかもネジロックが塗ってあるようです。ここにすぐ攻め込まずに、少し様子を見ることにします。
あと、要の部分のネジで、さびが重症で、おそらく私の技術では回せないと思われるところがあります。ネジを破壊して、メスネジだけは守って外すということができないか、これから検索などで調べる予定です。
まだまだ続きます。